子供から高齢者まで誰でも手軽に乗ることが出来る自転車ですが、道路交通法の規制をうけ、罰則の適用もあります。走ってきた自転車とぶつかりけがをした場合、加害者は刑事責任と民事責任を負います。まず刑事責任ですが、原則として、過失傷害罪が成立します。次に民事責任としては、不法行為による損害賠償責任を負います。具体的には、けがの治療費や付添費(家族も含む)交通費、入院などにより働けなくなった場合の休業補償、精神的損害として、負傷や後遺症に対する慰謝料などが挙げられます。
事故による損害賠償は、大部分が示談交渉(当事者同士の話合い)で解決しています。損害賠償額の算定には、絶対的な基準はありませんが、運用基準を出している本もあります。また、信号無視や飛出しなど被害者にも過失があれば、過失の割合に応じて賠償額も減少するのが一般的です。両当事者が納得すれば示談は成立します。示談成立後は直ちに書面を作成すべきです。示談書は公正証書を作成しておくと、今後のトラブルにも対応できます。なお、書面作成の際には、いつ、誰が誰に、どのような方法で支払うのか、賠償金額とその具体的な項目(医療費か慰謝料かなど)も明確に記載することが、後日の紛争予防になります。当事者間の話合いだけでは解決できない時は民事調停などの方法もありますので、お早めに司法書士など法律専門家に相談されることをお勧めします。